大半の方が、次のようなイメージを持っています。
1. 若くておしゃれな女性の健康美容体操
2. おば様方のメタボ解消運動
つまり、女性のアクセサリー的ダイエット体操。
別のイメージを持っている人もいます。
3. 裸のやせたインド人が体をくねくねくねらせている体操
4. 土に埋もれたり、空中浮揚したりするする超能力者
つまり、サーカスのようなアクロバット的大道芸人
あるいは、こんなイメージもあるでしょう。
5. 年がら年中瞑想している神秘的な人達
6. メディテーション、チャネリング・・・等々やたら英語を多用するスピリチュアルグループ
全てこれらは、ヨガの一部であったり、間違ったイメージです。
数年前、世間を震撼させ、騒がせた某・洗脳カルト教団によって
ヨガのイメージが曲げられたことは、とても悲しく残念なことです。
では、ヨガの本当の姿とは一体どういうものでしょう?
一言で言うことは、かなり難しいですが、敢えて申し上げると
「生命の実学」でしょうか。
空理空論ではなく、実社会に生きる人々にとって、本当に役に立つ叡智の結晶、
それがヨガです。
しかも大自然の法則、宇宙の理を説いたものですから、永遠の真理です。
釈迦やキリスト、マホメットあるいは老子や孟子、孔子など、聖人と呼ばれる人達の教えも
ヨガの哲学が源流となっています。
アメリカの東海岸から起きたニューソート(光明思想)運動。
そこから端を発した成功哲学も全てヨガの教えです。
あるいは「ザ・シークレット」などで世界的にブームになった「引き寄せの法則」なども、
ヨガの哲学ではとうの昔に説かれているのです。
心理学、深層心理学、潜在意識理論、大脳生理学、脳科学、メンタルサイエンス、
セルフコントロール、催眠、自律訓練法、心療内科などの分野も全てヨガから来ています。
やっとヨガの世界に、現代科学が追いついて来たというところでしょうか?
東洋医学の雄、アユルベーダは、ヨガと兄弟と呼ばれています。
もう一つの東洋医学の雄は、漢方です。気功と漢方は、
まさにヨガとアユルベーダと符号するもので、大自然の教えです。
空手、少林寺拳法、合気道、その他諸武道の極意はヨガで説かれており、
「華道」や「茶道」などの「道」とつくものも、さかのぼれば全てヨガにたどりつくのです。
ヨガでは、プラーナ(生命素)を体内に取り入れることによって、
最大限に生命力を高めることができるという考え方があります。
それをプラーナヤマと言います。
その具体的方法は、呼吸法と食事法です。
その呼吸法から派生したものが各種の呼吸法です。
その昔、一世を風靡した「岡田式静座法」「藤田式丹田呼吸法」「二木式呼吸法」等々がそうです。
現代に近いところでは「西野流呼吸法」でしょうか。
そして今ブームになっている「ロングブレス」なども、ヨガの呼吸法のアレンジです。
一方、食事法から派生したものが、マクロバイオティックに代表される
オーガニック食事法や自然食運動です。
このように、人間の生活全般にわたる「より良く生きるための智慧」が、
まるで宝石箱のように詰まっているのがヨガの教えです。
私は、昭和50年の冬に初めてヨガを体験し、それからずっと魅了され続けています。
科学技術の高度な進歩は、人々を便利で豊かにしてくれました。
しかし医学がいくら進歩しても、次々新薬が開発されても、病人が激減するどころか、
増え続ける一方です。
また、うつや不眠などの心の病、あるいは不妊やEDなども増加も深刻です。
これらの問題を,薬などの他物に頼らなくても、全て解決してくれる実践的英知が、
ヨガには備わっているのです。なぜならヨガでは生活全体を総合的に扱っているからです。
高度な文明の発達は、大自然の法則から遠ざかった人工的で不自然な社会をつくりました。
その結果が、地球規模での環境破壊です。その環境破壊が人心の荒廃を引き起こし、
そして人心の荒廃が組織の崩壊をもたらしています。
世界中の政府も役所も会社も組織も病んでいると言って過言ではありません。
今こそ大自然の法則そのものを説いた、ヨガ的自然生活への回帰が求められます。
大自然の子である人間が、本来の人間性を回復し、生きる喜びを存分に甘受できる
総合システム、それがヨガなのです。
そして人々に真の健康と幸福をもたらし平和をもたらすのです。